遅延セグメント木
ソースコード
主な機能
モノイドの要素列を二分木で管理することで、要素を 1 つ書き換える変更と、任意の区間の集約値の取得を高速に処理できる。また、要素を更新する作用を遅延伝播することで区間に対する一括更新を高速にする。
AtCoder Library との違いは、単位元 e
および恒等写像 id
をテンプレート引数ではなくコンストラクタで設定することである。
以下、
op
による集約を $+$ で表す。つまり $a+b=\text{op}(a,b)$ 。mapping
による作用を $()$ で表す。つまり $f(x)=\text{mapping}(f,x)$composition
による合成を $\circ$ で表す。つまり $g\circ f = \text{composition}(g,f)$
構造体テンプレート LazySegtree
テンプレート引数
template<
class S,
class F,
S op(S l, S r),
F composition(F f, F x),
S mapping(F f, S x)
>
struct LazySegtree;
- 要素の型
S
- 作用素の型
F
- 集約の演算
op
- 作用素の合成
composition
- 作用をする関数
mapping
を与える。
- $(a+b)+c = a+(b+c)$ と変形してよいことが必要。
- $f(a+b)=f(a)+f(b)$ と変形してよいことが必要。
以降、 S
および F
の要素のコピーは $O(1)$ 時間で行えるとする。また、 op
, composition
, mapping
の計算量は $O(1)$ として数える。
コンストラクタ
LazySegtree(); // (0)
LazySegtree(int n, S e, F id); // (1)
LazySegtree(const std::vector<S>& a, S e, F id) ; // (2)
- 要素数 $n$ : $0 \leq n \leq 10^8$
- 計算に現れる $x$ について、 $e+x=x+e=\text{id(x)}=x$ と変形してよいことが必要。
- $0 \leq l \lt r \leq n$ について、 $a[l]+a[l+1]+\cdots +a[r-1]$ を計算してよいことが必要。
–
- (0) : ダミーを構築する。このインスタンスでは操作をしてはいけない。
- (1) : $n$ 要素を $e$ で初期化する。
- (2) : 要素列 $a$ で初期化する。
set
void set(int p, S x);
- $0 \leq p \lt n$
- $O( \log n )$ 時間
単一の要素への操作。 a[p] = x
に相当する。
get
S get(int p);
- $0 \leq p \lt n$
- $O( \log n )$ 時間
a[p]
を取得する。
apply
void apply(int p, F f); // (1)
void apply(int l, int r, F f); // (2)
- $0 \leq p \lt n$
- $0 \leq l \leq r \leq n$
- $O( \log n )$ 時間
(1) : $a[p]$ の値を $f(a[p])$ で置き換える。
(2) : $i=l,l+1,\ldots ,r-1$ について、 $a[i]$ の値を $f(a[i])$ で置き換える。
prod
S prod(int l, int r) const;
- $0 \leq l \leq r \leq n$
- $O( \log n )$ 時間
$a[l]+a[l+1]+\cdots +a[r-1]$ を返す。 $l=r$ ならば $e$ を返す。
allProd
S allProd() const;
- $O(1)$ 時間
$a[0]+a[1]+\cdots +a[n-1]$ を返す。 $n=0$ ならば $e$ を返す。
minLeft
template<class E>
int minLeft(int r, E cmp);
cmp
はbool cmp(S x)
という関数として呼び出せる。- $0 \leq r \leq n$
- $O( \log n )$ 時間
セグメント木上の二分探索によって、以下の条件をすべて満たすような整数 $l$ を一つ求める。
l == r || cmp(prod(l,r))
l == 0 || !cmp(prod(l-1,r))
maxRight
template<class E>
int maxRight(int l, E cmp);
cmp
はbool cmp(S x)
という関数として呼び出せる。- $0 \leq l \leq n$
- $O( \log n )$ 時間
セグメント木上の二分探索によって、以下の条件をすべて満たすような整数 $r$ を一つ求める。
r == l || cmp(prod(l,r))
r == n || !cmp(prod(l,r+1))